冗句RFC

 RFCとは世界中の技術者たちがインターネットに関する規格を議論する文書で、今ブラウザを使ってこのページを見ることができるのも、RFCによって議論された各プロトコル(約束事)のおかげです。 当然まじめな文章なのですが、ジョーク好きのこの業界では、April Fool 等にはジョークRFCと呼ばれるものが正式な文書に混じってこコソっと発行されます。

 しかし残念ながら英語で書かれているので、そのままでは私が読めません(^_^;)。 いくつかは既に日本語訳されたものがウェーブ等で公開されているのですが、まだ全てが翻訳されているわけではないようです。

 そこで、英語はおろか標準語すら喋れない私が、無謀にも翻訳したものを公開します。翻訳の質はまったくですが、もし、アドバイスやヒントが頂ければ、それをもとに少しずつ改善していきたいと思いますので、ご協力お願いします。

ジョークRFCの本
ISBN4-89977-025-1
定価1900円+税

【追記2002.04】
 ジョークRFCの翻訳を集めた本が株式会社ラトルズから発売されました。タイトルはそのまんま「ジョークRFCの本」、著者は城戸正博さんです。謝辞のところにはなんと私の名前も! でも私の訳はちゃんと修正されているので安心して(笑)買ってあげてください。


それでは世界のジョークをお楽しみください

各タイトル横のは、私の訳(原文ではない!)を読んでの面白さを、独断と偏見で評価したものです。

RFC3093 ファイアウォール強化プロトコル★★

 利用したいネットアプリがファイアウォールに阻まれて使えない。そんな悩みを一挙に解決してくれるプロトコルです。

RFC2549 鳥キャリアによるIPのサービス品質(QoS)★★★

 RFC1149のアップデート版。これが読みたくて、このページを作りました。新たにQoSに関する定義が追加されているとありますが、実際には全く書き換えられています。ダジャレ(?)っぽいのが多いのが特徴。分からないところも多くありましたが、沢山のアドバイスを頂き、なんとか形になりました。また、後日、UNIX Magazine (ASCII) の RFCダイジェストにも紹介されていましたので、一部それを参考に修正しました。

RFC2325 SMIv2を用いたドリップ式加熱飲料ハードウェア装置のための管理用オブジェクトの定義

 コーヒーポットをMIBで定義している。ただそれだけ。同時期にでたRFC2324のおまけ?

RFC2100 ホストのネーミング

 ジョークRFCには文章の内容自体がジョークなもの以外に、有名な詩のパロディにして書くといったことも流行っているようです。このRFC自身もミュージカルCatsで有名なThe Naming Of Catsのポエムです(岩崎さん情報ありがとうございました)。ただ、これらは、うまく(雰囲気を壊さずに)訳すのが困難で、訳もあまり公開されていないようです。このRFCも iambic(弱強五歩格) と呼ばれるリズミカルな詩になっているのだと思うのですが、なにせ私が訳したものなので原文の雰囲気を跡形もなく吹き飛ばしています(^_^;) 

 yottiさんのページに「だれか、英語の詩について知識があって、英語のジョークがスラスラ分かって、RFCやネットワークの事が分かっていて、日本語に堪能な人、訳してみませんか?」とあるのに、「英語の詩について知識のない、英語のジョークも全く分からない、RFCやネットワークの事も分かっていない、日本の標準語すら喋れない」奴が無謀にも訳した結果です。うーん、やっぱ止めとけばよかったですね。どこかで、もっといい訳が公開されるのを期待しましょう。

RFC1926 ATM上でのIPデータグラムの実験的カプセル化★★

 ネットワークでお馴染みの ATM, LAN, AS といった略語を、本来のものとは別のものにこじつけて、新しい伝送方法を定義しています。既に他の方々が訳を公開されていましたが、勉強を兼ねて訳したものです。決して、今までより良い訳ができたので公開している、といったわけではありません(^_^;)

RFC1925 12のネットワーク真理★★★

 マーフィの法則、ネットワーク編です。これも既に他の方が訳を公開されていましたが、面白そうなので勉強を兼ねて訳してみました。個人的には最後の(11),(12)がお気に入りです。

RFC1882 クリスマス前のテクノロジーの12日★★

 マザーグース"The Twelve Days of Christmas (クリスマスの12日)"のパロディだそうです。私が訳すことにより RFC2100同様、元の雰囲気をぶち壊していることは言うまでもありません(^_^;)が、コメント(丸括弧の中)のセリフはなかなか楽しめます。ちなみに欧米ではその昔、クリスマスを12日に渡って祝い、毎日小さなプレゼントを贈る週間があったそうです。元となったマザーグースはこれを唄ったもので、恋人が12日間くれた贈物(すごい変なものばかり...)を唄っています。またこれは「つみあげ唄」と呼ばれるもので、1番毎に1つづつ歌詞を追加していき、これを何人かの友達と順に間違えずに唄っていくという遊びにも使われたそうです。参考までに12日目の歌詞を以下に示します。英文で比較すると語的にもうまくパロっているのがわかります。

The twelfth day of Christmas, My true love sent to me (クリスマスの12日目、愛する人がくれたのは)
Twelve lords a-leaping, (12の跳びはねる紳士)
Eleven ladies dancing, (11の踊る婦人)
Ten pipers piping, (10の笛吹く笛吹き)
Nine drummers drumming, (9つの太鼓を叩く太鼓叩き)
Eight maids a-milking, (8つのミルクを絞るメイド)
Seven swans a-swimming,(7つの泳ぐハクチョウ)
Six geese a-laying, (6つの卵を産むガチョウ)
Five gold rings, (5つの金の指輪)
Four colly birds, (4つの汚れた小鳥)
Three French hens, (3つのフランスの鶏)
Two turtle doves, and (2つのキジバト、そして)
A partridge in a pear tree.(1つのセイヨウナシの木にいるヤマウズラ)

RFC1216 ギガビットネットワーク経済学とパラダイムの転換★★

 経済学の観点からネットワークを評価し、超低速ネットワークなるものを提案しています。

RFC1149 鳥キャリアによるIPデータグラム伝送についての規格★★★

 IPの伝送媒体に鳥を使ったプロトコルを定義しています。ジョークRFCの代表作ともいえる作品。既に、私と違って英語に堪能な方が訳されたすばらしい翻訳がいくつか公開されています。ここにあるのは、私が、RFC(RFC2549)の翻訳に初めて挑戦する前に、まず練習用にと、それらの翻訳を参考にしながら訳したものです。

RFC1097 TELNETサブリミナルメッセージオプション★★

 本当に実装されると恐そう。でも、文中にも書いてありますが、聞き分けのないユーザをかかえる管理者なんかは熱望しているプロトコル。実は既に密かに実装されてたりして。

おまけ1 笑えないRFC

 ジョークでない、まじめなRFCです。不本意にも(^_^;)必要があって訳したものです。当然ながら翻訳内容の保障はありません。というよりも、色々誤りがあると思いますので、指摘してください。

おまけ2 著作権全文

 最近のRFCには必ず付いているFull Copyright Statementの和訳です。毎回同じ和訳をつけるのもなんなんで、独立して、翻訳した結果を公開しています。但し、和訳はあくまでも一例であり、原文の著作権の扱いは、それぞれの英文の方に従ってください。


  ジョークRFCに関する情報(他のRFCの翻訳等)は、いくつかのRFCの翻訳を自ら行なっておられるyottiさんジョークRFCのページで知ることができます。私自身、ジョークRFCの存在はこのページで知りました。又、まじめなRFCの翻訳についての情報はや、井崎さん日本語RFCリスト等に集められています。 尚、原文はIETFのサイトから取得できます。

 ジョークRFC以外にもネットで配布された興味深い文書の翻訳もあります。例えばyomoyomo氏の訳しているハッカーのための管理職 FAQなんかはとても参考になりました(笑)。 英語の得意な方、もっと色々訳して公開してくださいね。

 最後になりましたが、私の稚拙な翻訳にアドバイスやヒントを下さった親切な方々を紹介します。みなさん、どうもありがとうございました。

  yottiさん、   山口@東洋大さん、   安田@川崎市さん、   太田@筑波大さん
  中里(NJT)さん、   吉見 隆さん、   榊原 一矢さん岩崎さん

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